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スカパーJSATが「ひまわり」入札で政府調達苦情検討委員会に苦情申し立て

またまた時期を失した記事ではあるが、今から1週間前の7月16日、気象衛星ひまわり運用事業の入札に関して、スカパーJSATは政府調達苦情検討委員会に苦情を申し立てた。

スカパー、苦情申し立て=「ひまわり」入札取り消しで

スカパーJSATは16日、次期気象衛星「ひまわり」の運用業務の一般競争入札への参加資格を気象庁が取り消したことを不服として、内閣府の政府調達苦情検討委員会に苦情を申し立てた。同委は28日までに苦情を受理するかどうか決める。

記事に出てきたCHANS 内閣府 政府調達苦情処理対策室とは、「物品及び建設サービスを含むサービスの政府調達において具体的な苦情の受付・処理することを通じて、内外無差別の原則の下、政府調達制度の透明性、公正性及び競争性の一層の向上を図る」ことを目的とする制度のようである。上記サイトの文章を読む限りでは、制度ができたきっかけは外資系企業からの入札も「内外無差別」で受け入れる点にあるように思えるが、今回は国内企業同士の争いである。

さらに上記サイトの「苦情申立ての処理状況」というページには、これまでに申し立てられた苦情のリストが公表されている。そこで以下の表には、私がウェブページを読んで独自に情報をまとめた結果を示す。対策室自身がまとめた情報ではないので、私の読み誤りを含む可能性があることに留意されたい。

年度苦情申立人結果
平成8年日本モトローラ株式会社却下
平成12年モトローラ株式会社受理→入札は適法
平成13年株式会社浄美社却下
平成13年日本アイ・ビー・エム株式会社受理→入札結果は是認
平成14年ロッテ建設株式会社受理→最終的に排斥
平成17年オーバーシーズ・ベクテル・インコーポレーテツド受理→最終的に排斥
平成20年日本アイ・ビー・エム株式会社受理→入札再審査の提案
平成22年匿名却下

以上の結果を見ると、公表されている範囲では15年間で8件の苦情があり、平成20年の「日本アイ・ビー・エム株式会社」の件で、初めて入札再審査という意見が出たことがわかる。全体で1勝7敗というところだろうか。

今回スカパーJSATが苦情を申し立てた事情はよく理解できる。日本の衛星運用PFIに関する最初の案件であることを考慮すれば、本件は企業の将来に影響を与えるような重要案件とも言えるだろう。今回の入札では、確かにNTTデータと組んだことは悪かったと言えるかもしれないが、スカパーJSAT本体にはそれ以外の非がない以上、素人考えながら、果たしてこのような入札は公正と言えるのだろうかと疑問に感じる面はある。もちろん、気象庁も「粛々と」ルールを適用しただけだろうし、落札した三菱UFJリースグループに対しても他意があるわけではないのだが。。。

委員会が苦情を受理するかどうかが次の焦点となる。もし受理されれば、10日以内に契約締結停止の要請、90日以内に報告書および提案書の作成という手続きになっているようだ。

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