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多くの人々が関わった皆既日食

7月22日の皆既日食が終わった。まことに空気を読んでいない天気というか、ちょうど皆既日食を隠すように梅雨前線が延びたために、皆既日食を楽しみにしていた多くの人々の夢を奪うことになってしまった。また私自身は東京都心にいたが、曇天で部分日食は見えず、ちょっと暗くなったかなという程度で世紀の天文イベントは過ぎ去ってしまった。

さて私は地上からの日食は観測できなかったものの、宇宙からの日食観測については楽しむことができた。デジタル台風:2009年7月22日の皆既日食ページで衛星画像とアメダスデータを更新し、以下のように地球上を動く月の影を無事に捉えることができた。

デジタル台風:2009年7月22日の皆既日食 - 「ひまわり衛星画像」

特に12時の画像(実際の観測時間は12時前)で、日本南方に巨大な円形の影が広がっているのがお勧めである。これはまさに、以下のように小笠原諸島が皆既日食になっていた時間帯に近い。

今回の皆既日食では、日食を伝えることを目的とした多くのプロジェクトが立ち上がり、この日のために多くの人々が働いてきた。ネットからテレビまで、すべてのプロジェクトを列挙することは難しいほど、多彩な試みが繰り広げられてきた。技術をアピールするもの、宣伝を兼ねたもの、その動機はいろいろあるだろう。上記のNHKの映像は幸いにも見事に成功した例であるが、中には残念ながら計画通りに進まなかったプロジェクトもあるはずだ。特に、梅雨明け後でまず大丈夫と思われていた鹿児島県地方が予想外の雨天となってしまったのは、本当に運が悪いとしか言いようがない。

そんな中で、雨天をものともしない(?)気象衛星「ひまわり」による日食観測に関しても、気象衛星「ひまわり」画像で皆既日食観測の記事で紹介したように、気象庁も宇宙から見る月の影 - H21/7/22日食時の「ひまわり」画像というページを立ち上げて皆既日食イベントに参加した。事前にマスコミ等でもかなり話題になったので、アクセスした人も多かったのだろう。日食ピーク時間帯は残念ながらウェブサイトがアクセス不能となっていた。しかし皆既日食も終わって落ち着いた今は、15分おきに撮影したひまわり画像を動画として見ることができる。

気象庁の画像の素晴らしいところは、従来の観測に比べて月の影の動きがはるかに連続的に見える点である。例えばデジタル台風:2009年7月22日の皆既日食 - 「ひまわり衛星画像」のGIFアニメと気象庁のGIFアニメを比較してみよう。前者は従来のように1時間に1回の画像で、月の影は飛び飛びになっているが、後者は15分に1回の画像なので、誰でも一連の動きとして月の影を追っていくことができる。日食が地球上をどのように動いていくのか、これを見れば一目瞭然と言えるだろう。

最後に、前回の記事で出しておいた疑問点について触れてみたい。北半球から南半球まで移動する月の影を15分観測でどうやって追尾するかという問題に対して、私は事前に2つの解決策を想定していた。

  1. 観測は半球だが、日食の移動に合わせて観測範囲をずらすことで、12分で観測する。
  2. 観測は全球だが、倍速でスキャンすることにより、通常の半分の時間で観測する。

さて、正解はどうだったか?

正解は、南半球は無視して、北半球のみの半球観測をひたすら繰り返すという、最も単純な方法だった。ここぞという隠し技を期待していただけに、なんだか損した気分である。。。

ただ、よくよく考えてみれば、こうするのも当然かもしれない。日食観測にしか使えそうもない特殊な機能はそもそも衛星の仕様に入っていないだろうし、また日本人ユーザの中では、南半球までわざわざ月の影を追うことに興味を持つ人は少ないだろう。なら、気象庁のやり方で十分なわけである。

ということで、特に撮影範囲に関する工夫は見られなかったが、待機中の「ひまわり7号」を思わぬ場面で有効活用(?)したというだけでも、今回の画像公開には意義があったのではないかと思う。

ああ、それにしても、皆既日食を一度見に行きたくなった。ホント、いつか行こうと思う。

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