温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)が打ち上げに成功
本日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の打ち上げが種子島宇宙センターでおこなわれ、打ち上げは無事に成功した。
H-IIAロケット15号機による温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の打上げ結果について
今回の打ち上げは、私はいぶき打ち上げ特設サイトのJAXA放送で生中継を見ることにした。打ち上げとともにロケットは光り輝く炎を出しつつ、数秒(?)で雲の中に突っ込んでしまった。ちょうど私が種子島にMTSATの打ち上げを見に行ったときと同じような状況で、現地で見ていたら一瞬でロケットが消えてしまったような感じだったかもしれない。
それはともかく、この衛星は世界が待望していたものである。大気中に二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが増えると地球は温暖化すると言われているが、ではどこでどのくらいの二酸化炭素(メタン)が排出されているのか。これが実は今までよくわかっておらず、限られた観測データとシミュレーションで推測するしかない状況だった。ところが今回の「いぶき」は、地球上での温室効果ガスの濃度分布を直接観測することができるため、地球上で二酸化炭素がどこで発生してどう動いていくのかを実際に見ることが可能となる。また長期間にわたって観測すれば、温室効果ガスがどこでどのくらい減ったのかもチェックすることができる。
このように「いぶき」は、地球温暖化問題の解明と解決において不可欠な役割を果たす地球観測衛星であると言えるのである。
なお、この種の衛星の打ち上げはいぶき(GOSAT)が世界初ではあるが、米国でも同様の計画であるOrbiting Carbon Observatory (OCO)が進行中で、2009年2月23日(?)に打ち上げとなる見通しのようである(参考:Wikipedia)。温室効果ガスの監視という分野は、今後は日本と米国の2機の衛星が世界を率いていくことになるだろう。
(追記:2008-02-25)
米国のOCOであるが、2月24日に打ち上げに失敗したとのニュースが入った。温室効果ガスの監視という目的にとっては、GOSATとOCOとの間でデータ品質のチェックができなくなるなど、今回の失敗は大きな損失である。これによって、「いぶき」は世界唯一の温室効果ガス監視衛星として、その役割に期待と責任がさらに高まったと言えるだろう。
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