気象情報とXML
広い意味で言えば、気象情報のXML化は、本ブログの主題とも関係あるトピックといえる。
気象庁とXMLコンソーシアム 気象情報をXML形式で提供するための仕様策定作業を開始
こうしたことをやるという話は以前にもちらっと聞いたこともあったが、推進することが本決まりになったようで、まずはめでたいことである。今の時代としては当然の動きだろう。このXMLが広く一般に公開されるのかは、この文章だけからはよくわからないが、気象庁(気象業務支援センター)からは電文形式データというのがすでに配信されているので、まずはこれの一部がXMLに置き換わるという話かもしれない。
ただし、これをすべて無料で一般に配信してしまったらこのサービスの無料開放にもつながってしまうので、とりあえずそういうことはなさそうである。下記の文章にも、「行政機関、報道機関や民間の気象事業者等」が有効に活用するためのものという雰囲気が漂っている。
また、高度化された気象情報の提供にあたっては、行政機関、報道 機関や民間の気象事業者等において更に有効に活用して頂くためにも、利用者 における業務効率、システム効率や処理コストを考慮しなければなりません。
気象庁とXMLコンソーシアム 気象情報をXML形式で提供するための仕様策定作業を開始[PDF形式:159KB]
であれば、現在も電文形式配信サービスを受けている専門ユーザの手間が多少は減る(?)という程度で、それほど大きなインパクトはないだろう。
ただXMLデータの作成と配信がもはや技術的に難しくない以上、気象情報をネットから勝手に集めて配信するような人(もちろん私もその一人だが)はどうしても出てきてしまうので、いっそのこと気象庁がきちんとしたXMLデータを一般に広く配信してくれたほうが世のためになると思う。気象情報に対する人気は世界的に高いので、利用条件がゆるめであれば、例えば気象情報のウィジェット(ブログパーツ、ガジェットなど)は黙っていても山ほど開発されるはず。そうすれば、気象庁の警報などもより多くの人にリーチすることになり、防災上も望ましいということになるだろう。
ただそうなれば、気象業務支援センターと民間気象会社の仕事が減ってしまう(民業圧迫)という批判が出る可能性もある。国民に対して広く無料であるべき基本防災情報と、民間気象業務の継続のために有料であるべき付加価値気象情報とを、どこで切り分けるべきなのか。私にはこの問題に対する明確な解答はないけれども、その境界線はインターネットの発達と普及によって徐々に動きつつあるのかもしれない。
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