さようなら,ひまわり5号
JAXAによるプレスリリースが出た.
静止気象衛星5号(GMS-5)「ひまわり5号」の運用終了について
本年6月28日の運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)「ひまわり6号」の気象ミッションの正式運用開始に伴い、老朽化した静止気象衛星5号(GMS-5)「ひまわり5号」の運用を終了することについて報告する。
「ひまわり5号」との通信は7月21日を最後に停止し,以後「ひまわり5号」は宇宙空間をただよう単なる物体となる.つまり,この空間に存在することは存在するが,もはや地上とのコミュニケーションは途絶えるということ.まさに生から死へと変わる瞬間,すなわち死亡宣告時刻は本日7月21日の11時に決まった.
「ひまわり5号」によって得られた成果について,上記のページには以下のようにまとめられている.
(1)社会的な貢献
打上げ後設計寿命を大幅に越えた8年間、画像を取得し、我が国のみならず世界の気象業務に大きく貢献した。
また、待機運用に移行した後も情報配信の運用を行った。
いや,本当にそうである.「ひまわり5号」が限界まで引っ張ってくれたおかげで,後継者が引き継ぐまで切れ目なく気象観測を続けることができたと言えるだろう.上記のページには平成17年6月24日に撮影したという人生最後の(?)画像が掲載されているが,まだまだ美しい可視画像(*1)でこの面での能力は損なわれていないことが見て取れる.
(2)技術的な成果
設計寿命の2倍を超える期間の運用によりバッテリの管理技術データを取得した。
この成果はきっと,現在の「ひまわり6号」にも生かされることだろう.
長い間,おつかれさまでした.さようなら.
(*1) この画像,なんとなく見慣れない画像である.よく見てみると,衛星の撮影位置がボルネオ島(カリマンタン島)上空になっている.通常の「ひまわり」の撮影位置よりも西にあるため,画像の西側の端にはアラビア半島まで写っているではないか.「ひまわり」が撮影したものでこのような画像を見たのは初めてである.実はかなりレアものかも...
(追記 2005.12.04)
@nifty:デイリーポータルZ:ひまわり5号にさよならをでは、ひまわり5号を望遠鏡で追跡するという試みを紹介している。なかなか面白い。
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