ロケットは空へ
ロケットへの点火が始まると、白い煙がロケットから噴出してきた。おお、始まった、と思うまもなく上への動きが始まった。最初はゆっくりと、しかしグングンと加速。ガガガガ、バリバリという音を発しながら空気を切り裂いて上に進んでいく。ロケットが発するオレンジ色の光はすさまじく明るく、数秒後に雲に突っ込んだ後も、オレンジの光は雲を貫通して見えていた。そして徐々にそれも消え、ロケットの通り道には白い煙が残された。
本当にあっという間だった。打ち上げが1時間遅れて待ちくたびれていたはずなのに、打ち上げ20分前あたりからいろいろとあわただしくなり、人がわらわらと集まってきて、そして心の準備を整えるまもなく打ち上げが始まってしまった。あまりの寒さに思考停止してしまった頭は、どうも打ち上げのスピードについていけなかったようだ。
打ち上げの後、私の目の中には、オレンジ色の炎の形がしばらく焼きついて離れなかった。そしてまだ余韻が残るなか、車のラジオからは、すべての任務が無事に終了した、というニュースが流れてきた。まずはおめでとうと言いたい。彼らは、絶対に成功させなければならないという重圧に耐え、見事にロケットを復活させた。
ただしMTSATとしては、ロケットから切り離されたこれからが本番である。
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